2009年10月28日水曜日

1X08A007 IIDA TAK A+++







日常の中に身近に存在する本というモノのカタチの奥にあるカタチを発見している。体験者が視点を動かす事でそのカタチは変化し、動的なシークエンスを通して認識されるカタチを発見したという意味で極めて映像的な作品である。(金谷)

1X08A071 清水 岳 A+++







1枚の白いボードに「持つ」というカタチを与えている。ある行為を促すカタチを通して制作者と体験者がつながる。カタチの奥に潜んでいる人間の動的行為を発見しまたその行為を通して人と人の目に見えない関係性をカタチの中に再発見している点がおもしろい。(金谷)

1X08A076 進藤 正人 A+++







空間に様々な種類の光が当たることで、エリアができる。そのエリアは個別のところもあれば共有するところもある。社会は共有する部分があることでつながってくものであるが、それを抽象的な面白い模型に仕立ててきたことが特筆される。(箕原)

1X08A130 HIRAYAMA Kenta A++







パースのかかった階段で最上階の扉。天国への扉であろうか。死刑台の階段なのか少し不気味である。1つ1つの段の高さも異なるのは視覚的な効果だけなのであろうか?段につけられた足跡は誰のものだろうか?謎は深まるばかりである。(日置)

1X08A027 MAIKO OMURA A++







直方体の箱にもう一つの小さな箱があり、下部の一端と上部の一端が開口となりそれを結ぶ空間に多数で多色の糸が空間を織り成している。CONTACTと題する仕様である。それよりも、織り成される糸の交錯運動を連動させる外部に表示される糸のパターンが、作者の運動制作の呼吸を示していて秀逸である。(入江)

1X08A064 佐渡 政之 A++







SM的ロートレアモン(?)ワケのワカラナイ狂暴さを秘めた形。手に触れると切れそうな、どこを持ったらよいか、どう置いておけばよいのか分からないような作品。おそらく基盤中央のトゲが上部構造に突き刺さる形、つまりつながる形なのだろう。(池村)

1X08A093 タケイ ヒカル A++







荒野に小さな金属製の扉が五つ立ち並んでいる。そんな風景。扉が徐々に開いていく動きのコマ送り的な連続した形が、並んで固定されている様がつながる形の表現なのであろう。(池村)

1X08A060 Yoko Saitoh A++







白い無機的な箱の割れ目からぬるぬるとした、なめまかしいツヤを持った粒子がのぞき、小さな粒子は外にこぼれ、あふれ出している。この「流出」の様相がつながる形なのであろうか。(池村)

1X08A020 内田 希恵  A++







手と手と合わせて祈るフォルムを石膏で創っている。祈りが何かとつながるということだろうか。それ以上に手そのもののように皺や皮膚の細胞膜のようなものが、表現しているその制作の姿勢に驚く。力を努めているのがわかり佳作である。(入江)

1X08A011 石塚 正浩 A++








台座に方形の黄の紙が、セロハンテープで四角が止められている。粘着部に貼付けた人の黒い指紋が刻印されている。日常の刻秒に眼を止めた視線と、貼付けられた指の指紋が、台紙、黄色、セロテープに並ぶもう一つの面という表現が良い。(入江)

1X08A039 川上 絢子 A++







写真アルバムは自分の過去をよもがえらせる装置であるかもしれない。過去の自分の姿をみることで、今の自分を見つめ直すことができる。しかし、この作品には人物の像が写っていない。淡いパステル系の画像は、記憶の世界のイメージであろう。次のページをめくりたくなるが、開かない。人には見せたくない過去はあるものだと思うしかないだろう。(日置)

1X08A103 つしまさやな  A++







かたぐるますることを契機にして、大人と子どもの意識がつながることを表している。「つなぐ」ということが他人を理解することだと注目し、目線をづらした模型が特色的で面白い。(箕原)

1X08A101 Nao Tabuchi A++







基本的には、ピアノの鍵盤の形をしているが、それを崩しデフォルメをしながらも、鍵盤のもつ微妙なくびれなども見逃さずに空間に固定している。身の回りにあるものでつながっていくための形の必然をうまく拾いだしている。(箕原)

1X08A013 伊藤 裕菜 A++







たまねぎの皮のような球体の積層構造はすべてが外皮のような構造である。内部がつまっているというものではないので、皮と皮の微妙なすきまがテーマであろう。土台に置いたときに球がつまれた部分と、すきまが広がる部分があらわれる。その感覚が球体のやわらかさにつながっていくのかもしれない。どちらにしてもとても示唆的である。(日置)

第一課題 つながりのカタチ

私達の身近に存在する様々なモノは様々な関係性・つながりを持って機能しています。

モノとモノをつなぐモノとして建築・都市空間の中でも道や橋、階段、扉、ドアノブ等があり、これらはあちら側とことら側をつなぎ、人が行為し連関して始めて機能するモノです。そこにはある写真のような静的なイメージではなく、映像のような動的なイメージが含まれているようにも思います。それは人間の行為と映画・映像はあるシークエンスを通してあちら側とこちら側をつなぐという意味で共通しているからだと思います。それを考慮して、

ある事象を設定し、その間にある関係性を発見あるいは新しく生み出し、それらをつなぐカタチを立体作品として表現して下さい。

そのカタチがどうやってモノとモノをつなぐのか(例えばそのカタチは物理的な形態としてモノをつないでいるのか、あるいはそのカタチをある時間・シーンの中で体験者の身体が経験してはじめてモノがつながるのか等)を意識して製作して下さい。

提出物:275×275mmの土台の上に立体作品+製作の意図を補助するプレゼンボード1枚

出題日:2009年9月30日
提出日:2009年10月7日午後一時半
講評日:2009年10月14日

出題者:金谷泰志

2009年10月1日木曜日

1X08A013 伊藤 裕菜 A+++







平たいパットの上に敷きつめられた、カルパッチョ、あるいは冷蔵庫で冷やして固められたデザート、これもまた色どりと質感で「食べたくなるような何か」の感覚をかもし出している。(池村)

1X08A064 佐渡 政之 A+++







家畜の解体現場であろうか、骨の破片や血、ゼラチン質、内蔵のようなものが、異様なリアリティで描かれている。だが本当はそれらを描いたものなのかはわからない。色彩と形態が、それらを暗示しているだけかも(池村)

1X08A035 Ken Kazama A++







「ちょいとつまめる」。生チーズのような見かけのキューブが、大きいものから小さいものまで順次に配列されている。一部は引きちぎられているものもあって、食材らしい感触がでている。「大きさ」を勘案する楽しさが付加されているようだ。(入江)