2010年3月11日木曜日

1X08A007 iida Takahiro A+++



あえて、150×150×150キューブにとらわれず、空間の中で自由に新たな別空間を、身振りによって切り取ろうとする作品。単純で飾りのないデザインで多様な舞踏をみせる作品。動きの緩急と時折みせる「間」がたいへん良い。(池村)

2010年3月10日水曜日

1X08A063 佐々木 崇 A++




板状の等間隔の細軸とその上部の両端を解放されたピアノ線。その重ねあわせのモアレ効果とピアノ線のかすかな振れが、繊細な効果を生んでいる。(池村)

1X08A071 清水 岳 A++







立体ドミノ倒し的造形が、ある瞬間を取り出した形で固定されている。つまり、今にも動き出しそうな力を内包したある時間の固定。その時間的緊張感がすなわちリズムなのであろうか?(池村)

1X08A060 Saitoh Yoko A++







綿棒を軸の重なりの方向と、綿部分の重なりの方向でずらすことを発見して組み立てた作品。前者は整合性として表現し、後者は軸方向に力が加わって歪曲した面を作り出している。白、黒の区分とともに、既成部材の属性を巧みに立体のリズムとして描き出している。(入江)

1X08A036 Ken Kazama A++






様々な素材をその素材ごとに複雑な形に組み合わせて積層してきている。それらの鏡面効果などによるいろいろな見え方が、リズムを呼ぶ。鏡面による透明感溢れる作品。(箕原)

1X08A018 Ryosuke Iwasawa  A++







幾重に積層していく風景映像、奥行きのあるパースペクティブな夜の風景は、コマ撮りになっており、少しずつ違う。それらの微かづつの「時間差」が映像感覚的でもある立体になっており面白い雰囲気を出している。(箕原)

1X08A048 沓間 亜玲久 A++







L字の金属板を重ねたパーツを組み上げた造形。銅色と銀色が間隔よく並べられている。リズム感覚がどこかに含まれている感じがする。金属の留め方をもっと工夫すれば空間に緊張感が増したかもしれない。とても丁寧に作っているのは好感が持てる。(日置)

1X08A130 hirayama kenta A++







“mizu-tamari”
音波の広がる様子が伺われる、不思議な形をした作品である。細い棒に支えられて、各方向にひらかれた円錐には”音“を予感させるものがある。(箕原)

1X08A093 Hikaru Takei  A++







アクリルのCubeに建築的な立体が挿入されている。四つの面からその建築的立体は壁・開口の取り方を変えて展開する。それは奥行きをもった空間が横長や縦長といったプロポーションの空間が三次元のリズムとして変容するということが言いたいのだろう。(入江)

1X08A129 Yuichi Hirai A++







横川の駅弁のふたにチョコボールの空箱。見なれた何気ない物をつかって箱を重ね伸ばす事で連続性をもつ造形をつくっている。面白い感覚にさせるが、もう少し複雑な見え方があれば、意味が深まるだろう。新しい発想をもっていどんでいるのが好感が持てる。(日置)

1X07A803 山田 季生 A++







9コのスリットと1つの大きな四角形の穴からいろいろな光の色がにじみ出ている造形。スリットは等間隔で規則性をもっているが、どこか物足りなさが残る。抑揚のあるリズムが、空間のどこかにあってもよかったのだろうか?色とリズムを盛り込んだコンセプトは難しいが、うまくまとめあげている。(日置)

第四課題 三次元リズム

我々は、様々な物体に囲まれ、さらには時間に追われて、生活しています。
時間を計量化したものが、リズムだといえるでしょう。

リズムは「音」でしか表現できないものなのでしょうか?

音楽に合わせ、一定の広がりの空間の中で繰り広げられる舞踊が、リズムと密接に関わるものであることが明らかであるならば、リズムを空間的モデルとして表現することも可能であるはずです。

150mm×150mm×150mmの立方体として、人間が自律的に空間と時間を感じるための尺度、すなわちリズムを表現して下さい。

提出作品は上記の大きさを超えてはなりませんが、その作品を取り巻く空間と時間の広がりの中で、リズムを表現する作品としてもよいかもしれません。

精緻で濃密な「立体作品・空間作品」を期待しています。
今回は特に精緻さに期待します。

出題:10月28日
提出:11月4日
講評:11月11日

出題担当者:池村 潤

2010年3月7日日曜日

1X08A064  佐渡 政之 A+++







「化粧される空間」身体をそっとガラスに近づけてみたときに、映し出される身体と風景がとけ込み、身体が化粧されるという状態を見つけ出した感性もさることながら、表現の仕方としてきわめて建築構成的な方法で創作した芸術作品となり得ており、素晴らしい(箕原)

1X08A060  Yoko Saitoh A+++







顔の描き方が、有無を言わせず凄いの一言に尽きる。様々な色を筆跡が分かるように重ねて暗闇の中から化粧された皮膚が浮き出ていて見事である。(箕原)

1X08A165 Chiaki Yatsui A+++







ボール紙に紙面という表面をけがいたりなど、うまく使って化粧−非化粧について、考えさせられる作品にしてきている。目のまわりの様々な表情に重ねて「第三者の目」という知的なテーマも重層させている工夫も好感を呼ぶ。(箕原)

1X08A174 吉川 結 A++







風景のさまざまな要素が捨象され、2階調で表現された町並み。スノマ紙に白い絵の具で描かれた風景は、町並みの一瞬を切り取ってきたようにも見える。デジタルな感覚のアウトラインのとり方と、手書きの風合いが、不思議なコントラストとなっている。(鈴井)





1X08A010 石田 雄一郎 A++







近代建築の名作を水彩で描いている。光と影、反射によって色づく様子を描いている。本来、建築空間が帯びるべき「化粧」とは、こういうものであるべきなのだろう。建築の王道の化粧する空間。(池村)