2009年5月21日木曜日

第三課題 「場所—身体—空間」

直感的本能をよく働かせ、「ある場所に対する身体を伴う空間体験」をかたちにする
(作品として昇華させる)。

場所へのイメージでも、場所からのイメージでもよい。
そこに対する身体行動・空間意識を感じさせるもの。

提出物:1.模型:空間体験を立体作品、275mm立体以内
    2.ドローイング:1の場所状況や制作動機・空間感情などを表現したスケッチ
     など平面作品、275角の用紙2枚以上(表紙別)

出題日:4月29日
提出日:5月13日
講評日:5月22日

出題者:箕原 真

1X08A013 伊藤 裕菜 A+++






「水滴」
何気ない日常のささやかな光景を丁寧に描いた作品。傘にうつる水滴の量は、天気に雨の状況を表したものであるが、説明的にならず、作者の感性でまとめあげられた点が非常に良い。映像的な捉え方をしている。(日置)

1X08A037 桂 悠花 A++






「切手¥1000」
1000円分の切手を執念をかけて描いた作品。貨へい的な価値とそれを描くために費やした労力とが反比例しているところが面白い。1円切手の1つ1つの顔が異なるところが、印刷技術への反抗的アイロニーでもある。(日置)

1X08A048 沓間 亜玲久 A++






「点から始まるcolor composition」
モンドリアンの絵画を◯で分解(構築)した作品。この絵画自体には、都市的な雰囲気をもっているが、最後に屋根伏図は蛇足的な意味が強いのではないだろうか?知的な操作をどこまで拡張するかはむずかしいところである。(日置)

2009年5月20日水曜日

1X08A035 KEN KAZAMA A++






「anology」
雨だれと楽譜。「集まって意味をなすもの」というテーマが、2つの空間をつなぐ謎解のようになっているのが面白いだけでなく、2種類のドローイング、雨の風景に描き込まれた白い線や楽譜を縦横に重ねることによってかもし出される持ち味もいい。(箕原)

1X08A060 Yoko Saitoh A++






「Bubble Sheets」
「Bubble Sheets」と題した作品。気泡の粒が一つの単位として考えたのだろう。壜、ナイフ、バナナという対象がそれらの気泡の集合体によって包まれることによって別のものになる。もっと言えば、気泡の層によってその意味を失ったり、見えが違ってくる。微妙な意味変換を包むものと包まれたものの関係で問うた佳作。(入江)

1X08A007 IIDA TAK A++






「一人じゃ何もできないくせに」
刻明に、手と手と手がいくつもの手が組合わさった絵が描かれている。そのきづなと方向が、51号館の建物の仕組にドラスティックに転換する。的がはずれているようで、笑える作品となっている。この転換に発想力を感ずる作品。(入江)

1X08A061 坂部 布美 A++






「雨がつくる集合体」
おそらく集まることによる美、集合美を描いているのだろう。傘も波紋も水滴も一つ一つでも美しいものであるが、集まり相乗効果が起こる事で別の美しさが発生する。特にかさの集合の美の発見は興味深く思える。(池村)

1X08A001 Manami Aizawa A++






「絡」intertwine
繊維が絡み合い、編み重なって全体を構成する。そのようにして出来上がった全体が空気を含むフワフワした質感のものである。柔らかいのに丈夫であることがよく表現されたスケッチである。(箕原)

1X08A022 海野 玄陽 A++






「階段と男」
コミカルさを狙ったのか、意図的な幼稚さの表現なのか?だがしかし実に丁寧に分かりやすい絵が続く。自らの創造の世界を明瞭に描いていることには好感が持てる。しかし、レンガの積み方がおかしい。(池村)

1X08A008 高橋 秀太郎 A++






「集まって生まれた文化は異文化を排除する」
シブヤやアキハバラといった街の文化は、共通の趣味・趣向を持つものが集まる事で築かれていったのであろう。そのような趣味の街に生きる人々を、フォトスナップのように描き表すことで、シブヤ、アキハバラの特徴が現れてくる。集まる事の意味の捉え方がユニークな作品である、タイトルが意味深。(鈴井)

1X08A101 Nao Tabuchi A++






「The Recipe for the Earth」
動物や植物等が地球を模したような丸い絵の中に作者の感性で独特の世界観を表現している作品。集まって意味をなすものというテーマの中で生命を持つものが集まり、世界を作るというアイデアを独特な感覚でイメージしていておもしろい。表現の仕方もこのイメージにあっていると思う。(金谷)

1X08A047 久我 淳子 A++






「うつろい」
全体を柔らかで美しい色調でまとめてきている。集まって意味をなすものというテーマに対して「うつろい」を呈示してきたのには飛躍があるがうつろいが集まって季節や年月が流れていくということであろうか?桜が散り、雲が集まり水滴が落ちる。6枚をていねいに仕上げてある。(箕原)