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2009年6月5日金曜日

1X08A071 清水 岳 A+++






「神は笑って見ていました」
最初は一重の城壁に囲まれた街が、籠城が続くにつれて、著しく高さを増し、ついには独特の形状を持つ塔状としにまで増築してしまっている。人間のあくなく建築への欲求とその営みのおろかさを描いている。ブリューゲルのバベルの塔のよう。(池村)

1X08A039 川上 絢子 A+++






「暗闇へ」
三重に積まれた石造の城壁は高く高く積み上がっていき両者の間の底は暗闇の世界にまでなってしまっている。濃密かつ詳細に描かれた石積みがよい。右側の画面は抽象的に描かれた炎とその上に降りかかる雨。(池村

1X08A060 才藤 瑶子  A++






「尽きる」
尽きるというサブタイトルが効いている作品である。今にも壁からおり堕ちそうになる兵士の手だろうか。何かを必死に掴みとろうとする手だろうか。戦慄を表現するディテールである。(入江)

1X08A048 AREKU KUTSUMA A++






「神々の証」
アンフォルメルな抽象絵画であるが、ストーリーに沿って何か意味するところがあるようにも見える。非常に繊細な感覚を感じさせる作品。他の人がうっかりまねるとたいへん危険に思う。(池村)

1X08A167 yamaguchi Mai A++






「再上がりーScene78」
2つの場面の位置関係を海を挟んだ美しい情景描写として、表現してきている。戦争の始まる前だろうか。または終わった後であろうか、紫色の静けさの夕暮れが物語っている。(箕原)

1X08A002 青沼 克哉 A++






「拮抗」
両陣営が城壁の高さをめぐって競い合う場面を取り上げた作品である。紙面を見開き2枚使い、抽象的な表現で描いているのだが、そうする事で戦場の緊迫感が伝わってくる。平面作品ながらも立体的な見せ方を工夫したようである。(鈴井)

1X08A064 佐渡 政之  A++   






「形跡」
大木を描く事で戦争を終わった事を表現しているのだろう。黒澤明の時代劇の映画のシーンで度々出てくるシーンかもしれない。近代戦争、たとえばイラク戦争のリアルな戦争のシーンとは異質かもしれない。この時代の戦争の規模、力は自然を破壊することはなかったかもしれない。その意味でおもしろい切り口である。(日置)

1X08A026 大塚 敬介 A++






「壁の先」
レンガを積んでいる城壁と土を積む城壁の対比を描いている。戦時の建設はそのスピードが生死を決めるといってよいほど大切である。いかに高く早く積む工夫がなされたに違いない。おそらく素手で積む事はなく、道具を使うことをしたに違いない。素材と道具の関係にもっと着目してほしかった。(日置)

1X08A174 Yu Yoshikawa A++






「History of the Peloponnesian War」
他のほとんどの人が戦闘場面を戦争と捉えているのに対し、この作品では、原文で長々と続く手紙のやりとりも戦争の一部であるかのように捉えている事がまずおもしろい。現代ではこのような駆け引きがむしろ主力かもしれない。それをセンスのよいペン画にしてきており才覚を感じる。(箕原)

1X08A028 大森 隆平 A++






「ゲルニカ」
ピカソのゲルニカを素材として地とし、「戦争」を下地にした主意を、「先史」物語のいくつかの図として重ね合わせているところにウィットがある。描画するエネルギーが加わると良い。(入江)

1X08A030 Ogata Masayuki A++






「b.c429 May」
戦う兵士の像、軍国の攻防時の迫力あるシーンを描いている。漆黒の闇がバラけて、各々のメットや盾、槍が少し浮かび上がってくる。作者は従軍記者のような眼線でうごめく運動感のある状況を巧みに描き上げている点をかいたい。(入江)

1X08A180 渡辺 めぐみ A++






「SCENE」
陶器に描かれた紀元前の風景が今、発掘されて飛び出してくる感じが藍色のトーンで描かれている。陶器の絵柄という着目点と正面の画角が面白い。(箕原)

1X08A171 山本 隆晴 A++






「戦士」
ゲームソフトの表紙になるような風景。史実をリアルに描くことがいいのか?よりリアルに描くと何故か映画の撮影のシーンのような気がする。つまり私達にしてみれば、イメージそのものが映画からつくられているのかもしれない。歴史的事実を的確に伝える手段とは一体どうすればよいのか、深く考えていく必要がある。(日置)

第四課題 紀元前429年5月

古代ギリシャ人、トゥーキュディデースが、当時の全ギリシャ世界を巻き込んだペロポネーソス戦争について記した著書「戦史」の中の一説を読み、自分が想像する当時の情景を、手で克明に描くことによって、表現して下さい。

歴史考証的に正確でなくても構いません。表現者として、自らの想像力を自由に羽ばたかせて、自由に表現してください。

もちろん、正確な表現を心がけるのもよいでしょう。

当時の緊迫した状況を蘇らせるような、濃密なドローイングを期待しています。

提出物:手で克明に描いたドローイング、規定用紙(275×275mm)2枚以上
   (表紙含めず。ただし表紙は必ず付けること)

出題:2008年5月13日
提出:2008年5月20日、午後1時30分
講評:2008年5月27日

出題者:池村 潤